*9・11の20周年に書いた文章の長いバージョンをシェアします。
9・11が起きて20年が経った。毎年、その日がやってくるたびに言葉にすることのできない無数の感情が湧き上がって持て余す。文章にするときにはいつも言葉に逃げられるような感覚を覚え、文章を書く気にもならなくて、ありふれた日として扱うことでやり過ごすこともあった。自分があのときこの街にいて、報道の世界の片隅にいたこと、それからずっとニューヨークに生きてきたことについては、いまだに満足できる文章にできたことがない。ニューヨークに越してきて3年目に起きたその事件は、自分の人生で起きたことの中でもっともインパクトの大きい事件だったけれど、傍観者としての自分と当事者としての共在しているから文章にしづらいのだ。
9・11を文章にしづらいもうひとつの理由は、…
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