Sakumag 週報 02/13/2023
モンタナから
スキーという恐怖トレーニング
アクティビズムと罪悪感
スーパーボウルに考える
映画「To Leslie」とアルコール依存症
今週のSakumag Slackから
モバイルプリンスさん「じぶんごとの沖縄」②
東京を大雪が襲う前日、慌ただしくパッキングして羽田から帰路につきました。帰路と言っても、すぐに家に帰るわけではなく、途中、連れ合いと9日間を一緒に過ごすためにモンタナに寄っています。モンタナは東京とニューヨークの間に位置しているわけですが、便が少ないため一筋縄ではいきません。あれこれいじくりまわした結果、LAで一泊し、さらにソルトレイク・シティを経由するルートを選びました。羽田空港もコロナ禍前にかなり近い状態になっていたわけですが、マスク着用の義務付けがすっかり解除されたアメリカでは、コロナ禍が過去のことのような錯覚を起こしそうになります。今回会った友人にも最近コロナにかかって回復に時間を要したという人もいるし、学校の教師ですでに4回コロナになったツワモノまでいるのですが、「なってもしょうがない、なったら観念して大人しくする」という腰の座った態度には感心すらします。日本との温度差を感じますが、これが文化の違いというやつなのでしょう。
週末はスキーに行きました。先日、阿寒で半日を過ごしたスキー場の軽く10倍以上はあるハードな山です。シーズン終盤のピークだけにベースは大混雑で、遠くの駐車場からスキーを担いで歩く羽目になりました。時差ボケの体に鞭打って雪の傾斜を上りながら、また広大な山の中で迷子になりかけてきついコースにはまりながら、一瞬、自分は何のために硬くて重い靴を履いてスキーに出かけるのだろうかと自分を呪う瞬間がありました。『ピンヒールははかない』では恐怖を克服したようなことを書きましたが、6年が経った今、場所によっては雪のコンディションが想像以上に厳しく、恐怖はさざなみのように戻ってきます。ときに速度を緩めたくなる自分を発見しましたが、この怖いという気持ちが人を転ばせるのだということもわかっています。阿寒のゲレンデで半日を一緒に過ごした女の先輩が、恐怖を持たないためにスキーを続けていると話していましたが、自分にとってもスキーは恐怖感に対峙するためのトレーニングなのかもしれないと考えました。ラフな半日を過ごしてギブアップしたいと思っていたところで、地元のティーンエージャー(友達の子ども)がとっておきのルートを案内してくれ、肉体的なしんどさを帳消しにしてお釣りが来るほどのハイを味わいました。
(ちょっと宣伝)ところで阿寒からモンタナという極寒地帯の旅で、アウターとしての半纏の快適さに恐れ入っています。今年は、阿寒湖のフチ(おばあさん)から「防寒の基本は下着」とのアドバイスに従い、噂の「ひだまりエベレスト」を導入したこともあり、普通に寒い日は、薄着の上に半纏を羽織り、マイナス10度を下回ったときには、半纏の下にダウンというスタイルで快適に過ごしていますが、暖かい日でも重く感じません。難は雪や雨に弱いところですが、頭からかぶれるポンチョさえあれば問題なし。工場さんと一緒に商品開発した半纏はこちらで販売しています。
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