Sakumag週報 06/19-06/27/2022
今日の東京は36度。6月の最高気温を更新したとのことですが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。
私の一週間は、「みんなの未来のチェックリスト」の記者会見を皮切りに、松本への旅、Open Houseの準備とワタワタしていたらあっという間に終わってしまったのですが、参議院選挙を前にした事前データがなかなか辛い様相になっていたり、一方、アメリカでは、ニューヨークで許可証なく拳銃を持つことを禁じる法律が違憲とされたり、一度は1973年に女性に与えられたはずの中絶をする権利が保障されなくなったり、大変なことが次々と起き、ストレス度の高い1週間になりました。
帰国してすぐに歯医者のチェックアップに行ったところ(アメリカではかかるお金の額が違うので、帰国すると真っ先に行く)、私はずいぶん歯ぎしりをしているそうです。特に今、仕事に加えてたくさんの選挙や気候変動にまつわる活動をしてただでさえ睡眠時間が削られている上に、夜中、ときには明け方までアメリカの1月6日の公聴会やニュースを聞いて怒りに打ち震え、そのまま寝てしまう、ということの繰り返しなので当然といえば当然なわけですが、その様子を見ている家族に、体に悪いので政治のことを考える時間をもうちょっと減らすべきではないのか、と示唆されました。
確かに毎日いろんなことに怒っているし、ストレスに殺されるのではないか、と思うこともしょっちゅうです。政治活動のおかげで企業仕事はずいぶん少なくなってしまったし、書いているはずの本は遅遅として進まないしで、特に、インスタなどを開いてウキウキしたポストなどを見ると、「まったく自分は、、、」と思ったりもします。
けれど、人間というものは、いろんなことに一度気がついてしまうと、元には戻れないのだと思います。
週末、FreeUshikuの長島結さんが誘ってくれて、新代田のfeverというハコに、Discharming Manという札幌のバンドのライブを見に行きました。2月に行われたアイヌのウタサ祭りの前日、Gezanの前座のショーを楽しみにしていたのですが、コロナの影響でライブの開始時間が早まり、Seasaw Booksで接客をしていたために行けなかったという経緯があったのです。
男女のメンバーが同数(パリテ)のこのバンド、オープニングから曲のテーマは、ウィシュマ・サンダマリさん、自分が履いてきた下駄、つまり男性特権、ヘイトスピーチなど、今の自分の心を揺さぶるものばかり。無知と書いて「ナチ」と読ませる曲がありました。彼らが人権を音楽に扱うようになって離れたファンもいる、と長島さんに教えてもらい、圧倒的に男性の多い観客のどれだけがこうしたイシューに関心を持っているのだろうかと考えたりしました。
音のほうも自分好みで久しぶりにアゲアゲだったのですが、その最中に思い出したのは、かつての自分のこと。モッシュピットを見れば、自分から飛び込んでいき、体中にできるアザを勲章のように思っていたことすらあります。あの頃の自分は、男性ばかりの世界をまったく怖いと思わなかったし、負けるとも思わなかった。性加害や性暴力を受けた経験は山程あったのに、怖いと思ったら負けだとも考えていたのだろうと思います。無知とは恐ろしい・・・
もうひとつ考えたのは、ほんの数年前まで、自分の目に見えていたのはまったく違う世界だったということ。2019年には「真面目にマリファナの話をしよう」を刊行したのですが、その当時は、大麻取締法を恐ろしい人権侵害としてコミットしつつ、たとえば日本の入管で起きている暴力などについてはまったく知らなかったのです。大麻にコミットしていた自分はのんきだったよ、と当時の自分を思い返していたのですが、会場で知り合ったFreeUshikuの人が、日本育ちの日本しか知らない外国籍の人が、大麻取締法で逮捕されて、強制送還にあったという話をしてくれました。日本人だったら初版は執行猶予が主流ですが、外国籍だと強制送還になる、それを聞いて、大麻のことを問題にしたのも、時間の無駄ではなかったなと慰められる気持ちになりました。
私が大人になって最初にコミットした社会運動は死刑廃止運動でした。今だに死刑には反対ですが、その他の緊急性あるイシューに時間を取られて、ほとんど死刑には触れていないし、むしろ距離はどんどん遠くなってしまっています。この世の中はこと人権というイシューに関して、後退してしまっているのかもしれません。
★ 火曜日からスタートするSakumag Open House、複数のイベントに参加したいというリクエストをいただき、トークやイベントのパスを用意しました。もしもうシングルのイベントを購入して、差し替えをしたいという方は、sakumagshop@gmail.comまでご連絡ください。
ここからはコラム形式でお送りします。
アメリカ人女性の中絶の権利、ついに奪われる。
銃規制、最初の一歩
1/6公聴会の新展開
Bringと藤原印刷の「サーキュラー」
サテライト会場 in 松本
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