Sakumag週報 06/19/2023
地獄は想像していた以上に深かった、そんな気持ちである。
日本には、LGBTQに対する「差別はない」と主張する人、長らくトランスジェンダーに対するヘイトスピーチを撒き散らしてきた人が、国会に証人として招聘され、彼らの主張が世の中に流れてしまったのである。
辛いけれど、驚きはない。宗教右派の主張だと思っていたトランスヘイトが輸入されていたことに気づいて以来、山火事のように広がるデマとミスインフォメーションに、地味なカウンターは大した効果を及ぼしてこなかった。Qアノンの陰謀論が広がった時のデジャブ感がある。
アメリカでは、見てきた光景ではある。ひとつ大きく違うのは、アメリカではこうしたヘイトスピーチを言っても良いと思っている人たちは、保守州の、ウルトラ保守・宗教保守と呼ばれるタイプの人たちを支持基盤にしているタイプに限定される、ということだ。それだけだって十分キツいのだが、日本の場合は、過半数を支持を持つ支配政党プラスアルファの勢力がそれをやっているということだ。
カルト問題の専門家である藤倉善郎さんが、今年2月の 日本脱カルト協会後に配布された、 滝本太郎弁護士による反トンランス・ジェンダー文書にファクトチェックを入れたものを公開していた。
人々のあり方を「思想」と位置付け、トランスジェンダーへの迫害をやめさせようとする運動をカルト扱いしているが、存在しないものをでっち上げることのほうがよっぽどカルトだと考えてハッとした。トランスジェンダー排斥運動は、カルトだと考えると腹落ちする(だからこそ、藤倉さんはこの問題にコミットしているのだろう)。
しかし問題は、その人たちにとって、カルトに見えるのは私たちらしい、ということだ。
今週のコラム:
Living well is the best revenge
マイノリティというスーパーパワー
AI時代の心持ち
モンタナの大気汚染訴訟
今週のリーディングリスト
Keep reading with a 7-day free trial
Subscribe to sakumag to keep reading this post and get 7 days of free access to the full post archives.