Sakumag週報 10/3-10/9/2022
ひろゆきという人が8年以上行われている辺野古基地建設の反対運動を揶揄し、冷笑することにひたすら削られる1週間が終わりました。みなさん、本当にお疲れさまでした。金曜日の朝起きてツイッターを開くと、たくさんの人たちがアベマプライムを視聴しながらした辛そうなポストが多数目に入ってきて頭を垂れました。
私は「キャンセルカルチャー」回に一度だけ出演したことがありますが、事前の打ち合わせで「アメリカで『キャンセルカルチャー』という言葉が出てきた背景には、踏みつけられる側を救済しようという動きを『ポリコレ』と呼び、人を傷つける言葉を発した人が受ける社会的制裁に反発する人たちの中から出てきたレトリックである」ということを説明したにもかかわらず、番組では、石川優実さんの過去の運動を男性の出演者たちが責めるという展開になり、2度と出ないし観ないと決めているのですが、みなさんのツイを拝見するかぎり、似た構造を感じ、基地建設反対の立場から番組に出演された人々たちには敬意の念しかありません。
辺野古の基地建設については、安全保障の観点から必要なことであるとか、米軍が要求しているものであると思っている方も多いと思うのですが、それは真実ではありません。ツイッターのスレッドにまとめたので良かったら見てみてください。
今、『足を踏むのをやめてくれ』と声をあげる人々に、苛烈なバックラッシュが世界中で起きています。今回、ひろゆき氏の元ツイにいいねをつけた30万人の人々は、沖縄と日本本土の圧倒的な権力勾配の中で、支配層のレトリックを補強し、再生産するソルジャーたちです。いいねの数にも削られますが、その圧倒的多数が匿名アカで、その裏に生身の人間がいたとしても、自民党の作為的なデジタル戦略を考えると、世論を正確に反映しているということにはならない気がします。
近々の「沖縄の人の喋り方」についての発言は差別であり、ヘイトスピーチです。YouTubeの規約違反でもありますから、こころに余裕のあって、通報に興味のある方はのために書いておくと、問題箇所は26:50あたりからです(リンク)。
アメリカやカナダではヘイト発信が認められたインフルエンサーがプラットフォームから外されることで有害なコンテンツのリーチを減らすことができるという前例がであります。Deplatformingは有効です。
👉Andrew Tate’s popularity decreases following deplatforming from social media(Dexerto)
先月、ニューヨーク・タイムズに、ロシア生まれの陰謀論の助けを借りてトランプが大統領に当選した直後、フェミニズムのムーブメント「Weomen's March」が、デマによって分断されていた、という記事が出ました。デマの標的になったのは、パレスチナ系アメリカ人アクティビスト、リサ・サーソアで、過去の発言をもとにイスラエルやアメリカへのテロを支持する「ジハーディスト」との情報が出回りました。記事はアメリカン・ユニバーシティの女性研究者の分析を引用し、ロシアのトロールたちが、フェミニストのアクティビストをターゲットにしてきたこと、サーソアへの攻撃がロシア製であること、それが山火事のようにインターネットに拡散されたことを書いていましたが、私たちの目に入る社会は、思うより作為的な印象操作に溢れているのだということを心に刻まなければならないのだと思います。
特に、気をつけなければいけないのは、こうした表層を現実社会の反映として扱ってしまう危険性です。昨日の朝日新聞トップに掲載された「幼稚園からの性教育は『洗脳か』 二つの正義、米国で深まる文化論争」と題された記事が掲載されました。2021年からワシントンに赴任しているという高野遼という特派員が書いたこの記事は、反マスクのアクティビストを一般人の母親のように紹介したり、プログレッシブを「急進派」と表現したり、特定の思想に引きずられていることを示唆する点が多々含まれています。また、多様性を認めない層の人たちが左派を「インクルーシブでない」主張する矛盾や、LGBTQやノンバイナリーの人たちがいることを子どもたちに教えることを「Woke」と呼んだりする、それこそ保守の急進派のレトリックを再生産しています。私自身、保守地域とリベラル地域を行ったり来たりしながら暮らしているわけですが、たとえばモンタナの圧倒的に共和党が強い地域であっても、こうした考えを支持したり、信じている人たちはごく一部です。こうしたニュアンスは、わずか1年強アメリカで暮らした記者にはわからないだろうし、MAGA集会を取材することと、共和党支持基盤のアイデンティティポリティクスを理解することは全然別の話です。去年一度購読をやめていた朝日新聞をここ数ヶ月再び購読していたのですが、意見のコメントとともに購読を解約しました。
ところで、10月18日21時から、最近統一地方選挙に向けて女性の候補者・議員を増やすFiftys Projectを立ち上げ、クラファンを実施中の能條桃子さんとSakumag Studyをやります。お互い、クラファンを実施中ということもあり、今回のトークは宣伝も兼ねてオープンで開催しようと思います。こちらについては改めてお知らせのポストを配信します。
ここからはコラム形式でお伝えします。
Ye (AKA カニエ)、イーロン・マスク、ひろゆき
ネトウヨ言論と連帯するツイッター・ジャパンの法務担当者
性自認・性教育開始の適正年齢
「トランスジェンダー問題」を作るのは誰か
統一教会の小川さゆりさんと「親の呪い」
女性サッカー・リーグのセクハラ
繊維業界の闇歴史
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