Sakumag週報 2/7-2/13/2022
阿寒湖から釧路空港に向かう今日最後のバスを降りて、釧路空港でニュースレターを書き始めました。今年一番の幸せな「仕事」ウタサ祭りのためにやってきた札幌→阿寒湖の旅が終わりそうで、ちょっと切ない気持ちで東京便を待っているところです。
👉今年のウタサ祭りはこちらからご覧いただけます。
最終便を取ったのは、宿泊先から歩いていけるスキー場で少しでも滑ってから帰京したいという目論見からでしたが、朝、カフェとギャラリーが一緒になったkaripでグズグズしていたら、もう一泊阿寒湖に滞在するというOKIさんがやってきて、昼食に誘ってくれたので、そんなチャンスもなかなか来るものではないと「別れのどんぶり」を共に食したのを最後に阿寒湖を離れました。
アイヌ語で「交差する」という意のウタサの祭りは、アイヌと和人が一緒にセッションする文化イベントとしてコロナ禍直前に立ち上がり、阿寒湖の氷の上に張った巨大なテントで行われた2020年のこけらおとし、昨年の無観客配信に続き、今年3回目。当初は抽選で客数を絞っての予定だった今年も、最終的にはオミクロンのせいで無観客の配信イベントになりました。
私が阿寒湖を初めて訪れたのは確か2019年の秋。友人で映画監督の福永壮志くんが「アイヌモシリ」のために、まりも祭りの撮影に誘ってくれたのが始まりで、そのときに、同じ年のアイヌの表現者、床絵美さん(Kapiw&Apappo)と意気投合して人間関係ができたのでした。2020年2月には、絵美ちゃんが「祭りあるよ」というので、最初のウタサ祭りを起点に、釧路、斜里、札幌、ニセコ、函館をまわる「真面目にマリファナの話をしよう」のトークツアーを企画し、斜里のJuice Recordsのmeth(メス)くんのキャンプカーに乗ってこの地まで連れてきてもらい、ウタサ祭りのコラボレーションのクオリティの高さにぶっ飛び、さらにはアイヌの宴会(実は打ち上げが本番と言われるくらい)の楽しさに惚れ込んだ思い出があります。そして昨年11月に友人のプロデューサーから「相談がある」とトークの相談をされて司会を二つ返事で引き受けたのでした。
4セッション出演者24人のトークなんて、これまでやったことのないチャレンジで、おまけに相手のほとんどは今回初めて言葉を交わす人ばかり。途中ひやりひやりとする瞬間はいくつかありながらも、なんとか無事にこなし、あとは観客に徹することができました。
👉トークセッションは後日spotifyのウタサ祭りアカウントにアップされる予定です。
ウタサのすごさは、幼い頃から歌や踊りを営みの一部として生きてきたアイヌの表現者たちと、違うバックグラウンドを持つミュージシャンたちが融合することで生まれるケミストリーにあります。今回は、札幌でツアーを終えたGEZANと合流して阿寒湖までを一緒に旅をしたのですが、前々日の現地入りで、いきなりリハとゲネプロを経て、あの爆発が生まれることがすごすぎる。
今回のトークで少しでも伝わっていたら良いなと思うのは、阿寒湖のアイヌコタンがとても特別で特殊な場所だということ。観光名所であるという立ち位置を、文化的に下に見る人もいるようですが、観光業を営むことで文化や伝統を守ってきたし、だからこそたくさんの表現者がいて、そこに交わろうという人々が集まってくる場所になっているわけです。
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