Sakumag 週報 7/4-7/11/2022
選挙が終わり、まる1日半が経ちましたが、これを読んでいるみなさんは、今、どんな気持ちで過ごしているでしょうか?
開票とともに改憲勢力が3分の2を超えたこと、その後、山添拓さん、辻元清美さん、福島瑞穂さんなど、私が政党を超えて応援していた候補者たちが当選したこと、ほぼ自分の予想通りの結果になりましたが、開票速報を聞きながら打ち上げ+片付けをしていたSakumag Open House vol.2の現場では、改憲やこの先の未来を考えて涙を流している人の姿がありました。
個人的には、選挙というものに臨む際には、常に最悪のシナリオを想定することで期待値を調整し、メンタルを維持しながら次のステップに進むというスタイルでやっていて、改憲勢力の3分の2確保は、事前にそれが現実にならないと考える理由がなかったことからそうなるだろうとは思っていましたが、未だに選挙に行かない人が約半数を占めるこの国の現状を見るにつけ、多くの人にとって、平和憲法も、選挙という制度もそれほど大切なことではないのだという現実に打ちひしがれます。
アメリカに暮らしていると、選挙のたびに、貧困地域であればあるほど、一票を投じようという人たちが投票所に詰めかけ、長い列ができる姿が必ず報じられます。たくさんの不備や不平等はありながらも、投票というものは、市井の人々にとっても自分たちの声を届けるための大切な手段のひとつであるという共通認識があります。そんなアメリカの民主主義だって、トランプが選出され、議会が襲撃されて、今もギリギリのところで皮一枚でつながっているような状態です。一方、日本の民主主義というものは、戦争に負けたことで他者によってインストールされたもので、毎回、選挙に行こうとどれだけ言ったところで、その重要性を認識させることはできない現実が立ちふさがります。悲しいかな、今のシステムが一旦ガタガタにならない限り、また、地方自治体レベルからの草の根運動が起きないかぎり、根本的な改革は難しいという悲観的な見立てが、今一度証明されてしまったような気持ちです。
一方で、今回見えた明るい未来の兆しは、政党の枠組みを超えて広い層に支持されたゾエこと山添拓さんや辻元清美さんの選挙運動の形です。既存政党のあり方にフラストレーションを感じることが増える中、信頼できる候補の周りにできる市民たちの連合がもっとも有効性を発揮するのだということも実感しました。
選挙の直前、安倍晋三元首相が暗殺されるという衝撃的な事件が起きる前には、たとえば、いくいな晃子のように実績なく、組織票に支持される候補の票を削ることができているという肌感覚を得ていたし、実際の結果を見ると、その肌感覚はそれなりに正しかったと思うわけですが、暗殺事件によって、風向きが変わってしまったわけで、それが起きたときには、これまで多くの人たちが地道に積み上げてきた批判言論を無茶苦茶にしやがって怒りちらしていたわけですが、いろいろわかってくると、実際、私は親が宗教団体に入れあげるという経験をしたことはなく、そこに怒りを持つことにもまた虚しさを感じたりもします。
SNSや選挙関係のライングループでは、暗殺事件によって、私たちの運動や言論に対する圧が強まるという不安感が蔓延するのを感じましたが、その後も自由が丘に構えた場所で多くの人と対話を続け、また飲食店などの会話に耳を傾けるうちに、多くの人にとっては、暗殺事件ですら遠くのことだという印象も受けました。
今週会った人の中には、参政党に入れるつもりだったり、選挙に行かないつもりの人もいて、少しずつ対話を重ねることで考えを変えてもらえることもあったのですが、そこにたどり着くためにかかる時間とエネルギーはなかなかのもので、こうしたことは選挙直前にやるだけでは到底十分ではなく、日頃から対話の場を作ることの重要性を痛感もしました。
最終日、やってきた記者の人と話をしていたら、「アメリカの分断を遠くのことだと思っている人が多いけれど、実は日本も気がつけば都市部と非都市部で似た分断はが起きてるのでは」という仮説を投げかけられ、腹落ちしました。今回の選挙の結果を分析すると、とにかく1人区では自民党が圧倒的に強く、もしかすると、その分断は、もうとっくに起きていたことのようにも思えます。アメリカの赤い保守地域にも、もちろんリベラルな価値観を持つ人は一定数いるわけですが、そういう人たちは地域の中で孤立しがちで、彼らを結びつける存在としてカフェや本屋があり、Sakumagとしても、日本全国のそういう場所と連帯を深めていくことが課題であるような気がしました。今回のOpen Houseでは、松本のカフェ栞日がサテライト会場としてトークを流してくれましたが、こうしたことを増やしていけたらと考える次第です。
というわけで、私はこれから、2ヶ月弱、日本滞在の時間を最大限に使って様々な場所を訪れることができたらと考えていますので、現在決まっているイベントをシェアします。
(私は、ひとつ終わったら次に進むほうが元気にやっている性格なのですが、今、心や体のおやすみを必要としている人も多いと思います。自分のペースで、自分の心と体を最優先でやっていきましょう)
👉WeのBook Club @ 本と茶 NABO(ネイボ)
7月15日(金)19:00~20:30 長野県上田市中央2丁目14−31 (予約)
👉We Act! × Local「これからのローカルの役割と可能性」】
7月16日(土)19:00~ 栞日 (長野県松本市深志3-7-8) (予約)
👉Sakumag Pop-up @ Nabo
7月17日(日)12:00~18:00 営業時間中、Naboさんで接客します。
👉現在調整中
8月26日 豊橋
8月27日 名古屋
8月28日 岐阜
Keep reading with a 7-day free trial
Subscribe to sakumag to keep reading this post and get 7 days of free access to the full post archives.