Sakumag Letter 12/14/2023
*まずはお知らせがあります。明日12月15日18時から予定していたアクティビスト会合は、国会議事堂前でWe Want Our FutureさんとFoBさんのデモに連帯し、そちらに参加することになりました。また16日に予定していたライティングワークショップは、延期することになりました。ライティングワークショップは、別途、新年にオンラインで開催しようと思います。また追ってお知らせしますので、よろしくお願いします。16日の午後は、そのかわり、相談室というか、オフィスアワーズ的に開放しようと思います。私に相談があったり、話したいことがある人は、ぜひ気軽にお立ち寄りください。また、ヨガ、モヤシェア、ダーニングや編み会は予定どおりに開催します。良きタイミングで遊びにきてください。
さて今日は、帰国前のドタバタや、ZARAをめぐる一連の騒動、
昨日、無事に帰国しました。余裕を持って準備をしていたつもりが、前日のバタバタで、ランドロマットの洗濯機にiPhoneを入れてまわしてしまい、まだ買って1年も経っていない高級な電話を水没させたおのれのアホさに倒れそうになりました。
しかも一度始めると止めることのできない工業用の洗濯機だったので、終わるまでの30分、心を落ち着けるために、ランドロマットの椅子でポケットに入っていた編み物を始めたところ、隣に座っていた男性と会話が始まりました。「電話を洗濯機に入れちゃって」というと、「オーノー!」と同情を寄せてくれたのですが、その彼は、なんと先日家が火事にあって猫とともに放り出されたとのこと。法的には大家が提供しないといけないはずの仮の棲家は与えられず、シェルターに行けと言われ、猫はシェルターに行けないので、お金の工面をして、仮の住まいを自分で調達したとのこと。彼の話を聞いていたら、自分が頭を抱えていた問題はなんと小さいことか、となんだか申し訳ない気持ちになるとともに、「あーあ」という気持ちまで払拭してもらい、嫌なことが起きた時は、状況を俯瞰で見ることが大切なんだと思い出しました。ちなみに30分後、iPhoneは傷だらけの姿で戻ってきましたが、なんと大量の水の中でも普通に生きていました。ああよかった。
帰国の直前、バタバタしていた理由のひとつは、ホリデーマーケットに立って半纏を売っていたいたからです。たまに物販の仕事をすると、子供の頃、行商する寅さんに憧れていた自分は、モノを売ったり、人に商品の説明をすることがつくづく好きなのだなあと気がつくのですが、同時に、立ち仕事をしている人たち、セールスの仕事をしている人たちへのリスペクトが増します。また、ブルックリンのような場所で200ドル代の商品を売っていると、同じ金額の重みが、人によってまったく違うことにも気が付き、格差を別の角度から感じたり、お金の価値の相対性について考えたりします。物の値段というものは、自分にとって大きなテーマのひとつですが、半纏のプロジェクトでは、工場の人たちと話をすることも多いので、製造業の難しさや課題にも気づきます。半纏というものは、そもそも大工さんたちがアウターとして着るものとして発明され、その後、家庭の中に入っていた歴史があるし、プロレタリアの衣類として、価格はなるべく低めに抑えたいというところで頑張ってきたのですが、コストの上昇、工場の未来や、ニューヨークチームの持続性を考慮すると、来年、価格を上げることが必要になりそうです。自分がこの半纏のプロジェクトにここまで関わることは、初めて工場にコンタクトした時には夢にも想像していなかったことですが、書き手としても、製造業の現場の事情を知ることが、自分の視点に新たなレイヤーを加えてくれています(ちなみに日本での価格はアメリカよりも低いですが、こちらも年明けから改訂されそうなので、今興味がある方はこの機会に!)。
このところ、ZARAがサイトにアップした、ガザの死体の山を想起させるキャンペーン、そしてそのクリエイティブに関わった人の反パレスチナのスタンス、また日本の謝罪文かよと思うような不誠実な「謝罪」が、SNSを賑わせていました。
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