Sakumag Letter 12.31.2023
2023年最後から2日目の昨日、大掃除を休憩がてら(結局終わってなくて新年に持ち越し)、溜池山王で行われたイスラエルとアメリカに停戦を求めるデモに行ってきました。アメリカ大使館前、と聞いていたのですが、地下鉄を降りてみると、大使館側には明らかに不均衡な数の警官たちが立っていました。行きの地下鉄で、抗議者の1人が力づくで排除された動画を見ていたので驚きはなかったのですが、デモは大通り側に移動させられていました。そしてデモを取り囲むように立っている警官たちの数に呆然としました。
その前々日、ポレポレ東中野で映画「ヤジと民主主義」を観たところでした(最終日だということに気がついて、Sakumagのスラックで共有したところ、5人の仲間が一緒にきてくれました。最後のチャンスかと思いきや、ポレポレでは終わってしまいましたが、その他の劇場ではまだ観れるようです)。本作は、札幌で、安倍元首相に対してヤジを飛ばし、警察に力づくで排除された大杉雅栄さんと桃井希生さんを追ったドキュメンタリー作品です。大杉さんは、道警に対して裁判を起こし、これに桃井さんがジョインして、本来、憲法で認められているはずの表現の自由を、警察が理由をつけて侵害したということが、一審では全面的に、二審では部分的に認定されて、最高裁の判断が待たれているところです。
SNSなどではすでに書かれていますが、パレスチナのデモをアメリカ大使館前で行わせないようにした警察は「警備上の理由」などと説明していたようです。アメリカでも、デモに対する警察の態度は決して良いとは言えないこともありますが、基本的な権利として認められています。アメリカ大使館を「警備」するために、日本の警察が動員されていて、デモの人を排除する、ということの異常さに、身震いしました。
先週も、国会前のデモに参加し、「自民党いらない」のコールをしたわけですが(2週続けていったところ、人の数がぐんと増えて心強く思いました)、帰りに警察に囲まれた人たちもいたようです。こうした一連の警察の対応の共通点は、法的根拠がないにも関わらず、それを説明せずに、強行的な措置に出ている点です。
私たちが民主主義だと思っていたものは、あくまで民主主義のように見せかけられたハリボテなのだと感じましたが、所詮、日本の民主主義はアメリカが作ったようなもので、戦後80年近くが経った今でも、私たちは民主主義を自分のものにできていないのかもしれません。
それでも、自分のまわりから、民主主義を守ることはできると信じる理由もあります。杉並区で自民党区政を崩した岸本聡子さんと市民の人々が主役の映画「◯月◯日、区長になる女。」が1月2日から公開になります。私は、監督のペヤンヌマキさんにお誘いいただき、5日の上映後のトークに出ます。特に、地方自治から変革を起こしたいと考える人には参考になる点があるのではないかと思います。
唐突ですが、最近、Sakumagの仲間のミュージシャンの新譜がいくつか届きました。こういう瞬間が、この息苦しい社会から救ってくれるなあとつくづく感謝です。
🫵 Small Circle of Friends (Bandcamp: AppleMusic)(サツキさんは、ショップでSakumagの本を扱ってくださってもいます)。
🫵 Nozomi Nobody (Bandcamp: Apple Music)
ちなみに、プチオープンハウスに来てくれたのぞみさんと、音楽のプラットフォームの話をしたのですが、ミュージシャンに支払われるフィーという意味で、Apple MusicはSpotifyより「まだ良い」というレベルだそうで、サポートするにはやっぱりBandcampが良いですね。
🫵 先日、City Light Bookで、Sakumagを読んでくださっている“ゆうこりんぱいせん”こと田中優子さんにお会いしました。田中さんは小さなアートを買うことでウクライナの作家たちを支援できる仕組みを作り、売上の50%を救急救命士のボランティア団体Hospitallersに寄付されているそうです。
と、ここまで書いたところで、日本では2024年が始まりました。
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