Sakumag週報:1/3-1/9/2022
年明け最初の一週間をみなさんはどのように過ごされたでしょうか?
私はといえば、年明け3日間はグダグダと本を読んだり、たまったコンテンツを消化したりしていましたが、最初の外出は「みんなの未来を選ぶプロジェクト」の仲間だったLive Hausの菅波ユウくんが主催した「アクティビスト・ナイト」になりました。
そこでちょっと嬉しいことがありました。衆議院選挙前ずっと同じLINEグループにいた仲間Dくんと初めてゆっくり話をするチャンスに恵まれた際に、懐かしい先生の名前が出たのです。アメリカの選挙で戸別訪問の活動に参加した経験もあるというDくんは、大学時代は、アメリカ現代詩を専門とする原成吉先生のゼミに属してポエトリー・リーディングに挑戦したことが、自分の市民活動のルーツになっているという話をしてくれました。原先生とは、2008年に、ビートの詩人ゲーリー・スナイダーの取材に行ったことをきっかけに、インタビューをさせていただいたり、お知恵を拝借したりするご縁があり、Dくんとのおしゃべりによって、先生のおつかいで近所のゼン・インスティチュートにいったことを起点に、また芋づるのように別の縁や知識につながったことなどを懐かしく思い出したのでした。Dくんと話した帰り道、思い出してみたのですが、自分自身もまた、青臭く(わからないなりに)アメリカの詩人やビートニクに憧れたことが、不条理な世の中に気がつく一助になったことは確かであり、未だに人に見せられるような詩を書けるには至っていないけれど、自分のルーツの一本はやっぱりそこにあるのでした。
Dくんとの会話は、それ以外にも示唆に富むものになりました。彼が参加した2016年のアメリカの大統領選挙の際、多くの民主党支持者が、本当に苦しんでいるワーキングクラスの現実を理解していなかったし、理解しようともしなかったということです。折しも、今日、ガーディアン紙が掲載していたバーニー・サンダースのインタビューにも、民主党のエスタブリッシュメントが今まさに同じ間違いを犯しているという指摘がありました。今、サンダースは、そして、アレクサンドル・オカシオ・コルテス(AOC)のようなファーレフトの議員やアクティビストたちは、アメリカで空前の勢いで展開されている労働運動と共闘しています。けれどいまだにリベラルの政治家の多くは、企業利益から献金を受け取り、労働者の利益を代表することに躊躇しています。今年の11月に行われる中間選挙を前に、ワーキングクラスの有権者たちが民主党の議員たちを選出するために、パンデミックのさなかに投票所に足を運ぶかどうか、正直なところ自信がありません。結局のところ、バイデン政権は、貧しい支持層にコミットした数々の約束を実現できていないのです。
今週は、議会襲撃から1年が経った日でもありました。あの日、議会を襲撃した人たちのうち700人+が逮捕され、彼らの裁判は今も粛々も行われています。トランプに扇動されて議会に向かった群衆の大多数は執行猶予や罰金刑で許されているようですが、警官に暴力を振るったり、器物破損を行ったりといったもっとも悪質だと目された被告たちには複数年の懲役刑がおりています。世の中を騒がせたQアノンシャーマンを始めとする有名Qアノンの裁判記事やインタビューなどを読むと、ニュースメディアを信じただけ、反省している、という人が多く、その無自覚さに驚くのですが、もっと驚くのは、当日、激しく暴れて捕まった人の大半は、極右の反政府勢力ともつながりがない普通の労働者だった、という点です。
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