<じぶんごとのWe革命> 抗議デモ、業界スト…立ちのぼる市民運動の機運。声を上げることで未来は少しずつ是正されていく
*今日は、ビジネスインサイダーの連載から1月5日に配信されたものを転載します。あらためて見出しを読んだときに、「自分は楽観的すぎるのか?」という気持ちにもなるのですが、小さな変化の積み重ねないと大きな変化は起きないので、引き続き希望の種を探していこうと思っています。
2024年を見据えながら2023年を振り返ったときに、まっさきに考えたのは、市民運動が盛り上がった1年だったということだ。
なかでも今後長く記憶に残りそうなのは、ハリウッドから自動車業界までより多くの業界にじわじわと広がりつつある組合運動、そして、パレスチナが置かれる状況に対して日々各地で行われる抗議運動である。
人気の恒例イベント当日に従業員がスト
組合運動が2022年から、また2023年を通じて勢いづいてきた背景には、複合的な要因がある。インフレや地価の高騰によって、一般のワーカーたちの暮らしぶりが向上されていないこと、景気の先行きに不安感があること、またパンデミック以降、人手不足が常態化してワーカーたちの交渉力が上がっている一方で、企業が総じて堅調に利益を上げていることなどだ。ワーカーたちが求めるものは、賃金や勤務時間、長期的かつ安定的な雇用の保障などが軸になっているが、業界によって細かい違いもある。
2023年の組合運動で、最も注目を集めたのは、スターバックスだったかもしれない。2021年にニューヨーク州バッファローの店舗が、スタッフによる投票で3分の2の賛成票を集めて組合化を決めて以来、350以上の店舗が組合化を可決してきた。
従業員が組合化を決定した場合、その組合は全米労働関係委員会の承認を受けて、経営陣との集団交渉を行うことになっているが、スターバックス本社は、組合との集団交渉に応じていない。病欠のルール改善やクレジットカードでチップを受け取れるようにするなど組合側の要求の一部は改善されたが、最大の要求である雇用主と従業員との間の雇用契約の締結は、経営陣が交渉に応じてこなかったために棚上げになってきた。
組合は、この膠着状態を打開するために引き続きキャンペーンを展開した。スターバックスでは毎年11月になると、ホリデー関連の飲み物を注文する顧客に携帯用のカップを配布する「レッドカップデー」が行われるが、2023年のレッドカップデー当日にはおよそ200店舗でワーカーたちが職場を離脱した。
こうした状況のなか、本社対組合の対決が、新たなフェーズに突入した。
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